介護福祉士 過去問
第38回(令和7年度)
問117 (総合問題 問4)

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問題

介護福祉士試験 第38回(令和7年度) 問117(総合問題 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

次の事例を読んで、問いに答えなさい。

〔事例〕
Aさん(85歳、女性、要介護1)は、B住居型有料老人ホームで暮らしている。子どもはなく、親族もいない。Aさんは現在、外部の事業所から訪問介護サービスを週2回利用している。Aさんは駐車場を経営していて、毎月その収入がある。
最近、C訪問介護員(ホームヘルパー)は、Aさんの居室内の冷蔵庫の中に同じ食材がたくさん入っていることが多く、気になっていた。ある日、C訪問介護員(ホームヘルパー)がAさんに尋ねると、「近所のスーパーに買い物に行くのが楽しみだが、冷蔵庫の中に何があるのか忘れてしまい、同じものばかり買ってしまう」と答えた。また、「今は、毎月振り込まれる駐車場収入の管理ができているが、今後管理できなくなることが不安だ」と話した。その後、Aさんは、初期のアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)の診断を受けた。

次のうち、Aさんが不安に思っている駐車場収入の管理について、訪問介護事業所のサービス提供責任者がAさんに提案する制度として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 成年後見制度
  • 生活保護制度
  • 老齢年金制度
  • 継続雇用制度
  • 後期高齢者医療制度

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、「認知症などによって判断力が低下した場合に、財産や金銭の管理を支援する制度について理解しているか」を問う問題です。

 

Aさんは、

・初期のアルツハイマー型認知症がある

・現在は駐車場収入を自分で管理できている

・しかし、「今後管理できなくなることが不安」と話している

・子供や親族がいない

・毎月、駐車場の収入がある

という情報があります。

 

ここで重要なのは、認知症+財産・金銭管理+判断能力の低下への備えです。このような場合に検討される代表的な制度が成年後見制度です。

例えば、

・預金の管理

・不動産などの財産管理

・本人に不利益な契約を防ぐ

などに関係します。

 

以下が解説です。

選択肢1. 成年後見制度

正解

 

成年後見制度は、認知症などによって判断能力が不十分になった人の権利や財産を守り、生活を支援する制度です。本人の判断能力の程度に応じて、

・後見

・保佐

・補助

などがあります。本人に代わって契約や財産管理などを行ったり、本人が行う法律行為を支援・同意したりすることで、本人の権利や財産を守ります。

Aさんは現在、「今は、毎月振り込まれる駐車場収入の管理ができているが、今後管理できなくなることが不安だ」と話しています。つまり、今すぐ本人の財産管理能力が完全に失われているわけではありません。しかし、「今後管理できなることが不安」と感じています。したがって、将来的に判断能力が低下した場合に備えて「財産管理や契約などを支援する仕組み」を検討することが重要になります。その代表的な制度が、

成年後見制度です。

選択肢2. 生活保護制度

不正解

 

生活保護制度は、生活に困窮している人に対して、最低限度の生活を保障し、自立を助長する制度です。Aさんは現在駐車場を経営しており、毎月収入があるという状況です。「生活費が足りない」ではなく、「今後の駐車場の収入・管理が不安」とあるため、生活保護制度は不適切です。

選択肢3. 老齢年金制度

不正解

 

老齢年金制度は、高齢期の生活を支えるための年金です。Aさんは85歳なので老齢年金を受給している可能性はありますが、今回の問題のポイントは、「年金を受け取ること」ではなく、「財産や収入を将来どう管理するか」です。老齢年金制度=老後の所得保障と考えましょう。

選択肢4. 継続雇用制度

不正解

 

継続雇用制度は、定年後も働くことを希望する人が、一定の条件のもとで引き続き働けるようにする仕組みです。例えば、60歳で定年を迎えた人が、本人の希望により引き続き会社で働きたいという場面にはこの制度は関係しています。Aさんは、駐車場の収入を不安に感じているため不適切です。

選択肢5. 後期高齢者医療制度

不正解


後期高齢者医療制度は、高齢者の医療を保障するための医療保険制度です。Aさんは85歳なので年齢的にはこの制度の対象となりますが、今回聞かれているのは「駐車場の収入」です。医療や健康保険に関する制度ではありません。

まとめ

「認知症=すぐに成年後見制度を利用する」ではありません。成年後見制度は、本人の判断能力の程度などを踏まえて利用を検討するものです。Aさんは現在、「駐車場収入の管理ができている」とされています。したがって、現在の能力を尊重しながら、将来に備えて制度について情報提供・相談につなげるという考え方が大切です。

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02

この問題は、高齢者等が関わる制度の知識について問われます。

介護現場で頻発する場面を事例として、そのニーズを読み取る能力も必要とされます。

現在のAさんのニーズは、駐車場収入の管理についてです。

多様なニーズに沿った提案をする為には、

多くの制度やサービスを学習することが大切です。

選択肢1. 成年後見制度

正解です。

成年後見制度とは、認知症等によって判断能力が十分でない人に対し、

本人の権利を守ってくれる人(後見人)を選ぶ制度を言います。

後見人は駐車場のような不動産収入の管理も役割に含まれます。

選択肢2. 生活保護制度

誤りです。

生活保護制度とは、生活困窮者に対して援助する制度ですが、

Aさんは駐車場による収入がある為、

生活保護制度は利用できません。

選択肢3. 老齢年金制度

誤りです。

老齢年金制度とは、原則65歳から受け取る公的年金の制度です。

Aさんは既に公的年金を受け取る年齢であることと、

不安に思っている駐車場収入の管理の解決にはなりません。

選択肢4. 継続雇用制度

誤りです。

継続雇用制度とは、希望者を定年後も継続して雇用する制度です。

Aさんが不安に思っている駐車場収入の管理とは、

直接的な関係はありません。

選択肢5. 後期高齢者医療制度

誤りです。

後期高齢者医療制度とは、75歳以上の高齢者の医療費を援助する制度です。

Aさんが不安に思っている駐車場収入の管理とは、

直接的な関係はありません。

まとめ

成年後見制度はやや難しい言葉や役割を持ちますが、

比較的よく耳にする制度なので覚えておくことが重要です。

また、成年後見制度についてわからなくても、

他の選択肢は、一般知識と照らし合わせて関係のないものが多いので、

文章を読み取って、誤った選択肢を除外していくことも一つの手です。

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