介護福祉士 過去問
第38回(令和7年度)
問112 (介護過程 問7)

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問題

介護福祉士試験 第38回(令和7年度) 問112(介護過程 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

次の事例を読んで、問いに答えなさい。

〔事例〕
Aさん(50歳、男性、障害支援区分3)は、中度の知的障害がある。身体機能に問題はないが、遂行機能に障害がある。短い言葉での意思表示はできる。両親は亡くなっている。姉が近くに住んでいるが、同居は難しく、共同生活援助(グループホーム)へ入居した。入居時に短期目標を「生活のリズムを整える」と設定し、順調に進んでいた。日中は就労継続支援B型事業所に通っている。
共同生活援助(グループホーム)の生活に慣れてきた頃、Aさんは日中活動を休むようになった。心配した生活支援員が居室を訪ねると、Aさんが、「昨日も、遊びに来た隣室の友人が、散らかっている部屋を見て笑った。前はきれいにできていたのに」と自信をなくしている様子であった。
生活支援員がAさんの居室を確認すると、趣味で集めているアニメグッズや衣服が増えていて、きれいにしていた自室内に散乱していた。

次のうち、日中活動を休むようになったAさんの状態を理解するために必要な情報として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • Aさんの姉の家族構成
  • 隣室の友人がAさんの部屋に行った時間
  • Aさんが自信をなくした理由
  • 生活支援員がAさんの部屋を訪ねた心情
  • Aさんが隣室の友人と遊ぶことになった理由

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、中度の知的障害がある利用者についての課題把握について問われます。

利用しているサービスは、高齢者が利用する介護保険のサービスとは異なりますが、

本人の尊厳維持や、本人らしい生活を支援するという点は共通しています。

その視点から、Aさんの困りごとを把握していくことが大切です。

選択肢1. Aさんの姉の家族構成

誤りです。

Aさんの姉の家族構成もアセスメントの上では重要ですが、

日中活動を休むようになったAさんの情報として、

直接関係するものではありません。

 

選択肢2. 隣室の友人がAさんの部屋に行った時間

誤りです。

隣室の友人の訪問した時間帯や時間の長さによっては、

Aさんの状態変化に影響が出る可能性はあり得ますが、

状態を理解するための情報として、最も適切ではありません。

選択肢3. Aさんが自信をなくした理由

正解です。

隣室の友人から散らかっている部屋を見て笑われたことで、

今まで部屋をきれいにしていたことが出来なくなっているという認識が、

今回Aさんが自信をなくした直接的な理由と考えられます。

自信をなくしたことで、日中の活動量が減り、Aさんらしい生活が失われています。

この課題を改善できるかが今後の支援のポイントになります。

選択肢4. 生活支援員がAさんの部屋を訪ねた心情

誤りです。

生活支援員の心情については、

日中活動を休んでいるAさんの状態と直接関係がありません。

よって適切ではありません。

選択肢5. Aさんが隣室の友人と遊ぶことになった理由

誤りです。

Aさんが隣室の友人と遊ぶことになった理由については、

日中活動を休んでいるAさんの状態と直接関係がありません。

友人はAさんを笑うことがありますが、友人と遊ぶこと自体は問題ではありません。

まとめ

Aさんの姉の家族構成や、友人のAさん宅への訪問時間、理由も、

支援の方向性を検討する上では参考になりますが、

Aさんが現在最も困っていることやその理由を把握することが、

今後支援を行っていく上で最も重要になります。

生活支援員の心情については主観的要素が強いので、

参考にする情報としては適切ではありません。

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02

この問題は、「アセスメントで利用者様の状態を理解するために、どのような情報を把握することが重要か」を問う問題です。

 

特に、

・利用者様に起きている「変化」を捉える

・その変化の背景・原因を把握する

・本人の気持ちや認識を重視する

・事実と支援者の主観を区別する

ことがポイントです。

 

日中活動を休むようになったという大きな変化があります。そしてAさん自身が、「昨日も、遊びに来た隣室の友人が、散らかっている部屋を見て笑った。前はきれいにできていたのに」と話しています。つまり、なぜ自信をなくしたのかを理解することが、Aさんの現在の状態を理解するために重要です。

 

 

選択肢1. Aさんの姉の家族構成

不正解

 

姉の家族構成も、Aさんの生活を理解するうえで将来的には参考になる情報かもしれません。しかし今回の「日中活動を休むようになった理由」を理解するためには直接的な情報ではありません。

選択肢2. 隣室の友人がAさんの部屋に行った時間

不正解

 

「何時に来たか」だけではなぜAさんが自信を無くしたのかを十分に理解できません。重要なのはそのときに何が起こり、Aさんがどう感じたかです。

選択肢3. Aさんが自信をなくした理由

正解

 

Aさんは、「昨日も、遊びに来た隣室の友人が、散らかっている部屋を見て笑った。前はきれいにできていたのに」と話しています。つまりAさんは、以前出来ていたことが、今はうまくできないということを自覚し、自身を失っていると考えられます。単に「部屋が散らかっている」ことだけを見るのではなく、Aさん本人から理由を確認することが重要です。

 

また、遂行機能障害にも注目しましょう。遂行機能障害とは「目的を達成するために、計画を立て、行動し、必要に応じて修正する能力」です。例えば「部屋を片付ける」という行動なら、何から始めるか決める、衣類をまとめる、グッズを分類し収納場所を決めるなどの複数の過程です。遂行機能に障害があると、「やりたいけど、どういう順番でやればいいのか分からない」ということが起こる可能性があります。

選択肢4. 生活支援員がAさんの部屋を訪ねた心情

不正解

 

これは支援者側の気持ちです。例えば支援員が「心配だった」と思っていたとしても、それはAさん自身の状態を理解するための中心的な情報ではありません。アセスメントでは、利用者様本人の状態・意向・生活状況を中心に考えます。

選択肢5. Aさんが隣室の友人と遊ぶことになった理由

不正解

 

一見関係がありそうですが、「友人に部屋を見られて笑われたことを、Aさんがどう受け止めたのか」のほうが重要です。

まとめ

「できなくなったこと」だけで判断しないようにしましょう。Aさんは以前、部屋を綺麗にできていましたが現在は物が増えて散乱している状態です。この変化を見て、「片付けができなくなった」だけで終わってはいけません。遂行機能障害が影響しているのか?収納場所が分からないのか?恥ずかしさから人に会いたくないのか?など複数の可能性を考えます。これがアセスメントの視点です。

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