介護福祉士 過去問
第38回(令和7年度)
問51 (生活支援技術 問17)

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問題

介護福祉士試験 第38回(令和7年度) 問51(生活支援技術 問17) (訂正依頼・報告はこちら)

Aさん(85歳、男性、要介護3)は、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断され、認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)で生活をしている。入所時、Aさんは、尿意や便意はあり、自分でトイレに行って排泄(はいせつ)できていた。最近、認知機能の低下によって、トイレ以外の場所で排泄するようになった。
次の記述のうち、Aさんの状態に合わせた介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 骨盤底筋訓練を行う。
  • 紙おむつを使用する。
  • 一日の水分摂取量を減らす。
  • ほかの利用者と同じ時間にトイレへ誘導する。
  • トイレの出入口に「トイレ」と書いた紙を貼る。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題ではAさんが認知機能の低下によって、何に困っているのか、

分からなくなっているのかを見極めることがポイントです。

選択肢1. 骨盤底筋訓練を行う。

問題ではAさんが失禁をしたという記述はありません。

よって不正解です。

選択肢2. 紙おむつを使用する。

Aさんは尿意・便意があるので紙おむつにする必要はありません。

よって不正解です。

選択肢3. 一日の水分摂取量を減らす。

排泄を控えるようにすることは不適切なケアなので、

水分摂取量を減らす必要はありません。

よって不正解です。

選択肢4. ほかの利用者と同じ時間にトイレへ誘導する。

トイレ誘導を介護者側の都合でコントロールすることは不適切なケアです。

利用者それぞれのタイミングで都度誘導しましょう。

よって不正解です。

選択肢5. トイレの出入口に「トイレ」と書いた紙を貼る。

Aさんはトイレの場所が分からずトイレ以外の場所で排泄をしています。

トイレの場所が分かれば、トイレで自分で排泄をします。

よって正解です。

まとめ

認知症の文章問題では、

その人にどんな症状が出ているのかを問われることが多いです。

認知症の中核症状、BPSDはしっかり覚えておきましょう。

参考になった数17

02

問題のポイント

アルツハイマー型認知症により、何が難しくなったのかを考えましょう。

 

事前情報は以下のとおりです。

・入所時は排泄が自立していた。

・尿意・便意はある。

・最近、認知機能が低下した

・トイレ以外で排泄すよるようになった。

 

つまり、「排泄機能」は残っているが、「トイレが分からない」可能性があります

 

 

選択肢1. 骨盤底筋訓練を行う。

不正解

 

骨盤底筋訓練とは、骨盤筋を鍛え尿漏れを改善する訓練です。主に失禁がある方に有効です。しかし、Aさんには尿意があり排泄が可能であることから筋力の問題ではないということが分かるため不正解です。

選択肢2. 紙おむつを使用する。

不正解

 

非常によく出る考え方の1つです。Aさんは、尿意があり、歩行可能、排泄ができることからここで紙おむつにすると残存能力を低下させる可能性があるため不正解です。

選択肢3. 一日の水分摂取量を減らす。

不正解

 

水分を減らすと、脱水や尿路感染、便秘、熱中症につながり非常に危険です。認知症高齢者はもともと脱水になりやすいため医師からの指示(心不全、浮腫)などがない限り水分制限は原則しません。

選択肢4. ほかの利用者と同じ時間にトイレへ誘導する。

不正解

 

排泄には個人差があります。Aさんは尿意と便意があり、本人のタイミングがあります。他の利用者様と同じ時間に誘導すると、間に合わない、トイレ以外で排泄する可能性があります。その人の排泄パターンや排尿間隔などに合わせましょう。このような個別に合わせたケアを「個別ケア」といいます。

選択肢5. トイレの出入口に「トイレ」と書いた紙を貼る。

正解

 

認知症ケアでは「環境を整える」ことが基本です。これを「環境調整」といいます。「本人を変える」より「環境を変える」ことが重要です。

Aさんは、尿意と便意がありトイレさえ見つけられれば自分で排泄できる可能性があります。介護では残存能力の活用が基本です。

まとめ

認知症では、

・トイレの場所が分からない

・部屋とトイレを間違える

ことがあります。

これを失認といいます。

 

参考になった数9

03

この問題は、認知症の利用者に対する症状の知識や援助方法について問われます。

問題文から、Aさんは入所時の時点で尿意、便意があったとのことで、

排泄機能低下の支援より、認知機能低下に対しての支援が適切です。

よって、一旦排泄そのものについては切り離し、認知症症状に対する援助方法を考えることがポイントになります。

選択肢1. 骨盤底筋訓練を行う。

誤りです。

骨盤底筋訓練とは、排泄機能低下により失禁のある人に対し、

尿失禁予防を目的とする運動です。

Aさんは尿意、便意がある為、適切な支援ではありません。

選択肢2. 紙おむつを使用する。

誤りです。

Aさんはトイレ以外の場所で排泄してしまいますが、

問題文から、下着の汚染や、着脱動作に課題があるとは読み取れません。

よって、紙おむつの着用は適切ではありません。

安易な紙おむつの着用は自尊心の低下にもつながります。

選択肢3. 一日の水分摂取量を減らす。

誤りです。

水分摂取量を減らすことでトイレの回数は減ると考えられますが、

根本的な解決策とはならないだけでなく、

Aさんの脱水、熱中症リスクを増加させてしまいます。

選択肢4. ほかの利用者と同じ時間にトイレへ誘導する。

誤りです。

排泄回数やタイミングは個人個人で異なる為、

同じ時間帯に一括りにトイレ誘導をすることは、

ケアとして望ましいことではありません。

選択肢5. トイレの出入口に「トイレ」と書いた紙を貼る。

正解です。

記述から、Aさんは認知機能の低下により、

トイレの場所の認識が難しくなっていると考えられます。

トイレの貼り紙等で認識しやすくすることで、

排泄の自立を促すことができます。

まとめ

骨盤底筋運動と紙おむつは、排泄機能の低下により、

尿失禁してしまう人に向けた支援になります。

排泄は個々人により回数やタイミングが異なります。

また、プライバシーの強い行動になりますので、

他者と同じ時間帯に誘導することは望ましくありません。

高齢者は脱水リスクが高い為、水分制限のある人以外で、

摂取量を意図的に減らすことは不適切となります。

 

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