介護福祉士 過去問
第37回(令和6年度)
問77 (コミュニケーション技術 問4)

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問題

介護福祉士試験 第37回(令和6年度) 問77(コミュニケーション技術 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

構音障害のあるBさんは、現在発語訓練を実施中である。ある日、介護福祉職に対して、「おあんで、あつがおごれた」と訴えた。介護福祉職は、Bさんの発語をうまく聞き取れず、「もう一度、言ってください」と伝えた。Bさんは、自身の発語で会話を続けようとしているが、介護福祉職には、その内容を十分に理解することができなかった。
このときの、Bさんに対する介護福祉職の判断として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • Bさんは言葉の意味の理解に支障があるため、会話の継続は困難である。
  • 発音が苦手なため、短い言葉でゆっくり話してもらう必要がある。
  • 話す意欲があるため、開かれた質問が有効である。
  • 発語訓練の効果がみられないため、訓練を中止する必要がある。
  • Bさんの言葉が聞き取れないため、会話を中断する必要がある。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は「発音が苦手なため、短い言葉でゆっくり話してもらう必要がある」です。

 

構音障害は、唇や舌、あごなどの発音に欠かせない器官がうまく動かせない状態です。
Bさんは発語の訓練中であり、喋ろうとする気持ちがあるので、介護職はゆとりをもった対応をしましょう。

選択肢1. Bさんは言葉の意味の理解に支障があるため、会話の継続は困難である。

不適切

 

Bさんは発語の訓練中でもあるので、会話の継続が困難だと決めるのは早いです。

選択肢2. 発音が苦手なため、短い言葉でゆっくり話してもらう必要がある。

適切

 

ゆっくりであれば聞き取れる可能性があります。
Bさんは会話ができた達成感で今後の訓練のモチベーションにも繋がるでしょう。

選択肢3. 話す意欲があるため、開かれた質問が有効である。

不適切

 

開かれた質問とは、「あなたの目標は?」というような、「はい」か「いいえ」で答えられないものです。
構音障害は発語が困難なので、開かれた質問は答えにくさを感じてしまいます。

選択肢4. 発語訓練の効果がみられないため、訓練を中止する必要がある。

不適切

 

基本的に訓練の中止は、言語聴覚士(ST)と主治医が連携して決めます。

選択肢5. Bさんの言葉が聞き取れないため、会話を中断する必要がある。

不適切

 

会話の中断は、Bさんの思いが伝わらないということです。
ストレスや訓練のモチベーションが下がってしまいます。

まとめ

今回の問題は、構音障害の方に対する介護職の対応の仕方でした。

 

言葉が出づらいものには、「失語症」と「構音障害」があります。
失語症は脳の言語中枢の損傷が原因で、構音障害は発声器官の障害です。
混合して覚えないようにしましょう。

参考になった数11

02

構音障害とは、舌や唇、声帯など発音に必要な器官の運動がうまくいかず、言葉を明瞭に発音できない状態を指します。

しかし、理解力や思考力には問題がない場合が多いのが特徴です。

このケースでは、Bさんは発語訓練を継続中であり、自分で会話を続けようとしている姿勢が示されています。

Bさんの話したいという意欲を尊重し、会話が成り立つ工夫をすることが大切です。

選択肢1. Bさんは言葉の意味の理解に支障があるため、会話の継続は困難である。

×

構音障害は発音の問題であり、言葉の理解力が低下しているわけではありません。

会話を続けようとしているので、継続は困難と判断するのは不適切です。

選択肢2. 発音が苦手なため、短い言葉でゆっくり話してもらう必要がある。

Bさんは話そうと努力しており、会話を続けたいという意欲が見られます。

短い言葉でゆっくりと話してもらうことで、他の表現を引き出し、発音しやすい可能性があります。

選択肢3. 話す意欲があるため、開かれた質問が有効である。

×

開かれた質問は、「はい」「いいえ」で答えられない質問です。相手に自由に話しをさせ、会話を広げるのに役立ちます。

それを有効活用にするためには、介護士がある程度本人の状況や伝えたいことを把握する必要があります。

選択肢4. 発語訓練の効果がみられないため、訓練を中止する必要がある。

×

このケースでは一時的にうまく伝わらなかっただけなので、効果がないと決めつけることはできません。

発語訓練は継続的に行うことで効果が期待できます。

選択肢5. Bさんの言葉が聞き取れないため、会話を中断する必要がある。

×

Bさんは話そうと努力しており、意欲もあります。

会話を中断するのは、Bさんの気持ちをくじいてしまうリスクがあります。聞き取ろうとする姿勢を持つことで、本人にも安心感を与えます。

まとめ

まとめ

構音障害は、発音に障害があっても、理解力や思考力は保たれていることが多いです。そのため、会話を諦めるのではなく、コミュニケーションの方法を柔軟に変えることが重要です。

参考になった数5

03

この問題でのポイントは

構音障害について理解する。

です。

 

まず、ことばを話すためには、音を作り出す口唇・舌や下あごなどの器官に脳から指令を送ります。指令を受けると、肺から息を出し、喉仏にある声帯を震わせて声を作り、最後に舌の形を変えたり、口を動かすことで、思い通りの音を作ります。この音を作る過程のことを構音といいます。

構音障害とは、構音器官の動きがある程度誤って固定化してしまい、正しい発音ができない状態をいいます。

そのため、発音が不明瞭で相手に伝わりにくいですが、言語理解は保たれていることが多いです。

選択肢1. Bさんは言葉の意味の理解に支障があるため、会話の継続は困難である。

×

構音障害は発音の問題です。

介護福祉職の「もう一度、言ってください」という指示にも従えており、言語理解は保たれていることが多いです。

そのため、理解力に支障があると解釈するのは誤りです。

 

選択肢2. 発音が苦手なため、短い言葉でゆっくり話してもらう必要がある。

Bさんには話す意欲がみられます。

「ゆっくりお願いします」や「短い言葉で区切ってみてください」などご本人が発話しやすいような方法を提案したりするなど、伝えやすい環境づくりが大切です。

選択肢3. 話す意欲があるため、開かれた質問が有効である。

×

開かれた質問とは「はい/いいえ」で答えられない質問のことです(オープンクエスチョン)。

構音障害の方には負担が大きくなる為不適切です。

 

「はい/いいえ」で答えられる質問を閉じた質問(クローズドクエスチョン)と言います。

構音障害の方にはこちらの質問が効果的です。

選択肢4. 発語訓練の効果がみられないため、訓練を中止する必要がある。

×

訓練の効果を短期間で判断することは早まった判断です。

また、訓練を中止する必要があるという根拠も乏しいです。

選択肢5. Bさんの言葉が聞き取れないため、会話を中断する必要がある。

×

Bさんには話す意欲がみられます。まずはその気持ちを尊重するべきです。

また、中断することでBさんの自尊心を傷つけることに繋がりかねません。

まとめ

構音障害の方には話す意欲を尊重し発音しやすい方法の工夫など環境を整える支援が重要です。

 

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