介護福祉士 過去問
第37回(令和6年度)
問2 (人間の尊厳と自立 問2)
問題文
Aさん(83歳、女性、要介護3)は、脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で左片麻痺(ひだりかたまひ)があり、介護老人福祉施設で生活している。家族から、「できることは自分で行ってほしい」と希望があり、Aさんは自室から食堂まで車いすで自走することを日課としている。
1週間前から、介護福祉士養成施設の学生がAさんのフロアで実習を開始した。数日前からAさんは実習生に、「今日は腕が痛いので、食堂まで車いすを押してください」と依頼するようになった。悩んだ実習生は、実習指導者に相談をした。
実習生に対する実習指導者の最初の助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1週間前から、介護福祉士養成施設の学生がAさんのフロアで実習を開始した。数日前からAさんは実習生に、「今日は腕が痛いので、食堂まで車いすを押してください」と依頼するようになった。悩んだ実習生は、実習指導者に相談をした。
実習生に対する実習指導者の最初の助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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問題
介護福祉士試験 第37回(令和6年度) 問2(人間の尊厳と自立 問2) (訂正依頼・報告はこちら)
Aさん(83歳、女性、要介護3)は、脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で左片麻痺(ひだりかたまひ)があり、介護老人福祉施設で生活している。家族から、「できることは自分で行ってほしい」と希望があり、Aさんは自室から食堂まで車いすで自走することを日課としている。
1週間前から、介護福祉士養成施設の学生がAさんのフロアで実習を開始した。数日前からAさんは実習生に、「今日は腕が痛いので、食堂まで車いすを押してください」と依頼するようになった。悩んだ実習生は、実習指導者に相談をした。
実習生に対する実習指導者の最初の助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1週間前から、介護福祉士養成施設の学生がAさんのフロアで実習を開始した。数日前からAさんは実習生に、「今日は腕が痛いので、食堂まで車いすを押してください」と依頼するようになった。悩んだ実習生は、実習指導者に相談をした。
実習生に対する実習指導者の最初の助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 「Aさんの腕は痛くないので、気にしないでください」
- 「どのようなときも、Aさん自身で行ってもらうことが必要です」
- 「ご家族から自分で行うように、言われています」
- 「それは自立につながらないので、車いすを押さないでください」
- 「Aさんが依頼する理由を、まず考えてみることが大切です」
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は「Aさんが依頼する理由を、まず考えてみることが大切です」です。
介護の現場では、利用者の言葉や行動の背景にある「思い」や「理由」に目を向けることがとても大切です。
今回のように、実習生が利用者からの依頼に戸惑っている場面では、頭ごなしに指示するのではなく、なぜそう言ったのかを一緒に考える姿勢が求められます。
特に実習の場では、気づきや視点の広がりを促す助言が、成長につながるポイントになります。
「自立支援」とは、やみくもに「やらせる」ことではなく、その人の状態に応じた「今できること」を大切にすることだと覚えておきましょう。
本人が「痛い」と言っているのに、それを否定するのは尊厳や信頼関係を損なう対応です。
まずは訴えを受け止めることが基本です。
自立支援は重要ですが、「どのようなときも」という表現は柔軟性を欠いています。
その日の体調や気持ちをふまえた対応が必要です。
ご家族の意向も大切ですが、介護の中心はあくまで本人です。
本人の意思や状態を優先する視点が求められます。
一見正しそうですが、体調の変化や訴えを無視してまで自立を優先するのは本末転倒です。
支援には安全や安心の視点も欠かせません。
正解。
利用者の言動の背景にある理由を見つめる視点は、支援の質を高めるうえでとても重要です。
実習生にもその視点を育てる声かけが必要ですね。
利用者の行動には、必ず何らかの理由があります。
その理由に気づかず、「やるべきことだから」「本人のためだから」と決めつけてしまうと、本当の支援からは離れてしまいます。
この問題では、実習指導者の立場からの助言が問われています。
答えを与えるより「考えるきっかけ」を与えることが正解につながるポイントです。
「この人はなぜ、そうしたのか?」
そんな問いを忘れずに持っておきたいですね。
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02
この問いには、アドボカシーの考え方が当てはまります。「利用者の意思を尊重し、適切な支援を行う」ことが重要になってくるので
なぜAさんが実習生にそのような依頼をしたのか、理由を明確にすることが正しい回答になります。
利用者の依頼を否定するような発言は、適切な介護ではありません。
「どのようなときも」という言葉には、Aさんの意思が組み込まれていないため、適切ではありません。
ご家族からの依頼があっても、本人の意思を尊重することが重要であるため、適切ではありません。
自立を目指すことよりも、Aさんの意思を尊重することが大事なので、適切ではありません。
こちらが適切です。
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03
この問題で覚えておくポイントは、
「利用者の言動の背景を理解する姿勢」と
「実習生への助言のあり方」です。
介護現場では、「自立支援」が基本方針ですが、
それだけを優先すると、
本人の体調や心理状態を見逃す危険性があります。
特に、学生実習においては
“本人の気持ちや背景を読み取る姿勢”が求められます。
この問題では「Aさんが突然、手助けを求めてきた理由」
に注目することが重要となります。
本人が「痛い」と訴えているにも関わらず、
それを事実として否定することは不適切です。
Aさんとの信頼関係を損ねる対応となります。
自立支援は大切ですが、「どのようなときも」
というのは柔軟性を欠いた対応になります。
利用者の状態変化を見逃す可能性があります。
介護の主役は、利用者本人です。
家族の意向は尊重する必要はありますが、
利用者の意思や体調は最も尊重すべきことです。
自立支援は大切ですが、自立支援を理由に、
一方的に援助を拒否することは、
利用者の訴えを軽視していることになり、
利用者の状態変化を見逃す可能性があります。
利用者の言動の背景に目を向け、
理解しようとする姿勢が含まれる助言になります。
「まず考えること」を促す点で教育的にも適切です。
この問題で最も大切なのは、
「本人の変化には理由があるため、
安易に否定せず、背景を探る姿勢を持つこと」といった、
利用者理解を深めるように助言することが最も適切です。
介護の現場では、「なぜこのような言動をするのか?」
という視点が、信頼関係や適切な援助につながります。
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