介護福祉士 過去問
第37回(令和6年度)
問1 (人間の尊厳と自立 問1)
問題文
次の記述のうち、介護福祉職がアドボカシー(advocacy)の視点から行う対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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問題
介護福祉士試験 第37回(令和6年度) 問1(人間の尊厳と自立 問1) (訂正依頼・報告はこちら)
次の記述のうち、介護福祉職がアドボカシー(advocacy)の視点から行う対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 介護を行う前には、利用者に十分な説明をして同意を得る。
- 利用者の介護計画を作成するときに、他職種に専門的な助言を求める。
- 利用者個人の趣味を生かして、レクリエーション活動を行う。
- 希望を言い出しにくい利用者の意思をくみ取り、その実現に向けて働きかける。
- 視覚障害者が必要とする情報を、利用しやすいようにする。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は「希望を言い出しにくい利用者の意思をくみ取り、その実現に向けて働きかける。」です。
アドボカシーとは、利用者の意思や権利をくみ取り、必要な支援や働きかけを行うことを意味します。
とくに、自分の思いをうまく言葉にできない利用者に対しては、介護職がその気持ちを察し、代弁する姿勢が求められます。
「本当はこうしたいけど、遠慮して言えない」といった場面は、現場でもよくあります。
その気づきを行動に移すことで、利用者の尊厳や希望を大切にする支援につながります。
試験では、「意思の尊重」や「代弁」「働きかけ」といった言葉が出てきたら、アドボカシーの視点を思い出しましょう。
これはインフォームド・コンセントに基づく適切な対応です。
アドボカシーは「本人の意思を代弁する姿勢」が中心であり、意味合いが異なります。
他職種との連携は大切ですが、これはチームケアの視点に基づくものです。
アドボカシーの本質である「本人の声をくみ取る姿勢」とは異なります。
趣味を活かす支援は個別ケアとして重要です。
アドボカシーに求められる「言いにくい思いを代弁する姿勢」とは異なります。
正解。
アドボカシーとは、伝えにくい思いに気づき、代わって支援につなげることです。
介護職には強く求められる大切な姿勢です。
これは情報保障や環境整備の一環として重要です。
アドボカシーの視点は「本人の意思をくみ取ること」が中心です。
アドボカシーとは、利用者が自分の思いや希望をうまく伝えられないときに、その意思をくみ取り、代わって伝え、実現に向けて働きかける支援のことです。
単に説明をすることや、環境を整えることも大切ですが、「本人の代弁」という視点がなければ、アドボカシーとは言えません。
似たような選択肢に迷ったときは、「これは誰の意思に寄り添っているのか?」「本人の声を代弁しているか?」を考えると見極めやすくなりますよ。
間違えやすいのは、丁寧な説明や専門職との連携をアドボカシーと勘違いしてしまう点です。
問いの意図を丁寧に読み取っていきましょう。
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02
介護におけるアドボカシーとは「利用者の意見や意思を尊重し、弱い立場の人を支援する」という意味に当たります。
「介護を行う前には、利用者に十分な説明をして同意を得る。」と迷うかもしれませんが、【意思決定が難しい方に寄り添う】という内容のものを選びましょう。
アドボカシーの考え方では「人の意見を代弁する」という内容が正しいので、適切ではありません。
アドボカシーは利用者(患者)の立場に寄り添う必要があるため、適切ではありません。
趣味を生かすことと意思を尊重することは異なるため、適切ではありません。
「利用者の意思をくみ取り、その実現に向けて働きかける」という内容はアドボカシーの考え方に当てはまるため、こちらが適切です。
利用者の意思を尊重しているわけではないので、適切ではありません。
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03
この問題で覚えておくべきポイントは以下の通りです。
「アドボカシー」とは、代弁・擁護という意味で、
本人の代弁者となって、その人の意思や権利がきちんと
尊重されるようにサポートすることを指します。
介護福祉職がアドボカシーの視点から行動する際には、
・本人の気持ちや希望をくみ取る
・自分では言いづらいことを代わって伝える
・権利が軽視されないように守る
が重要です。
つまり、まず問題を見たときに、
これらの観点に当てはまっているかどうかで、
ある程度答えを絞ることが出来ます。
利用者に十分な説明をして同意を得ることは、
「インフォームド・コンセント」の考え方であり、
本人の意思や権利を代弁する対応ではありません。
つまりアドボカシーの視点から行う対応ではありません。
多職種に専門的な助言を求めることは、
多職種連携における対応になります。
本人の意思や権利を代弁する対応ではないです。
つまり、アドボカシーとは関係がありません。
利用者個人の趣味を生かしてレクリエーション活動を行う事は、
QOLを高めるための個別支援の内容になります。
つまり、代弁や権利擁護といったアドボカシーの対応とは異なります。
希望を言い出しにくい利用者の意思をくみ取り、
その実現に向けて働きかける。
これは、本人の意思をくみ取り、代弁する、
アドボカシーの視点からの対応に最も当てはまります。
視覚障害者が必要とする情報を、利用しやすいようにする事は、
誰もが平等であるといった「バリアフリー」の視点における対応になります。
意思をくみ取り、代弁するといったアドボカシーの
視点からの対応とは、少しずれています。
アドボカシーを理解するうえでのキーワードは、
「本人の代わりに伝える」
「声なき声を拾う」
「意思の実現に向けて動く」
です。
よく試験に出る選択肢としては、
「言い出せない利用者」「気持ちを察して働きかける」
といった表現に注意しましょう。
今回は「希望を言い出しにくい利用者の意思をくみ取り、
その実現に向けて働きかける」が、最もアドボカシーの
視点における対応に合致します。
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