介護福祉士 過去問
第38回(令和7年度)
問123 (総合問題 問10)
問題文
〔事例〕
Aさん(50歳、男性、障害支援区分4)は、1年前の交通事故の後遺症で、右片麻痺(みぎかたまひ)、高次脳機能障害(higher brain dysfunction)、失語症(aphasia)となった。現在は障害者支援施設で生活している。日中は、車いすに座って過ごしているが、すぐに右肩が下がり上半身は右へ傾いた姿勢になる。ある日、B介護福祉職がAさんに姿勢の傾きを直す方法を伝えようとすると、Aさんは大声でどなり、物を投げた。B介護福祉職は、以前からAさんとのコミュニケーションに悩んでいたため、C介護主任に相談することにした。C介護主任の問いかけに答えるなかで、B介護福祉職は自分自身の言動を振り返ることができ、Aさんに伝わらない焦りと、子どもに言い聞かせるような口調が、Aさんの感情を害していたことに気づいた。その後、コミュニケーション方法を工夫し、Aさんに姿勢の傾きを直す方法を説明し、同意を得ることができた。
毎週、Aさんは妻との面会を楽しみにしている。しかし、妻はAさんの将来に不安を感じて、B介護福祉職に、「夫の障害について、情報交換や勉強がしたい。そのようなところがあれば紹介してほしい」と相談した。
次のうち、C介護主任がB介護福祉職への対応に用いた手法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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問題
介護福祉士試験 第38回(令和7年度) 問123(総合問題 問10) (訂正依頼・報告はこちら)
〔事例〕
Aさん(50歳、男性、障害支援区分4)は、1年前の交通事故の後遺症で、右片麻痺(みぎかたまひ)、高次脳機能障害(higher brain dysfunction)、失語症(aphasia)となった。現在は障害者支援施設で生活している。日中は、車いすに座って過ごしているが、すぐに右肩が下がり上半身は右へ傾いた姿勢になる。ある日、B介護福祉職がAさんに姿勢の傾きを直す方法を伝えようとすると、Aさんは大声でどなり、物を投げた。B介護福祉職は、以前からAさんとのコミュニケーションに悩んでいたため、C介護主任に相談することにした。C介護主任の問いかけに答えるなかで、B介護福祉職は自分自身の言動を振り返ることができ、Aさんに伝わらない焦りと、子どもに言い聞かせるような口調が、Aさんの感情を害していたことに気づいた。その後、コミュニケーション方法を工夫し、Aさんに姿勢の傾きを直す方法を説明し、同意を得ることができた。
毎週、Aさんは妻との面会を楽しみにしている。しかし、妻はAさんの将来に不安を感じて、B介護福祉職に、「夫の障害について、情報交換や勉強がしたい。そのようなところがあれば紹介してほしい」と相談した。
次のうち、C介護主任がB介護福祉職への対応に用いた手法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- コンサルテーション(consultation)
- コーチング(coaching)
- フォロワーシップ(followership)
- ティーチング(teaching)
- メンバーシップ(membership)
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題は、B介護福祉職がC介護主任から受ける指導方法について問われます。
福祉業界では、指導者をスーパーバイザー、
指導を受ける立場をスーパーバイジーと呼ばれます。
上記の用語は出ませんが、その関係性と指導方法について学習することが大切です。
誤りです。
コンサルテーションとは、専門家が依頼者に助言や指導を行うことを言います。
よって、事例のB介護福祉職とC介護主任との関係性とは異なります。
正解です。
コーチングとは、相手の話を聞き、問いかけを行うことで、
相手自身の中に備わっている知識や能力、気づきを引き出し、
自発的な行動を促すコミュニケーション手法です。
事例のB介護福祉職とC介護主任とのやり取りに該当します。
誤りです。
フォロワーシップとは、チームの目標達成のために、
チームメンバーがリーダーを支えながら、主体的に行動する能力や姿勢を言います。
B介護福祉職は主体的に行動をとっていますが、
目標達成のためにC介護主任を支えている状況ではありません。
誤りです。
ティーチングとは、指導者が相手に対し正しい答えや知識を教える手法です。
通常、指導者はティーチングとコーチングと使い分けて対象者を指導します。
誤りです。
メンバーシップとは、チームの一員として自らの役割を理解した上で、
職務を全うする能力や姿勢のことを言います。
B介護福祉職とC介護主任とのやり取りについては該当しません。
コンサルテーションとは、別業界の専門家による相談や助言のことを言います。
メンバーシップとは、文字通りチームメンバーについての用語になります。
フォロワーシップについては難しい用語ですが、
メンバーがリーダーを支えて行動する所が他の選択肢と違います。
ティーチング、コーチングは知識として覚えておくことが大切です。
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02
この問題は、「利用者様とのコミュニケーションで悩んでいるとき、問いかけによって本人が課題に気付いて改善できるよう支援する手法は何か」を問う問題です。
C介護主任の問いかけに答える中で、B介護福祉職自身が「焦っていたのではないか」「子供に言い聞かせるような口調になっていたのではないか」と自身の言動を振り返っています。つまり、Bさんが自分で問題に気づき、改善方法を考えられるように支援したことが分かります。
C介護主任が問いかける→Bさん自身が考える→自分の言動を振り返る→問題に気づく→コミュニケーション方法を工夫するという流れです。
不正解
相談に関係するので紛らわしい選択肢ですが、コンサルテーションは専門家がクライアントに対しに助言や指導等を行うことなので不適切です。
正解
コーチングとは、相手への問いかけを通じて、相手自身が考え、気付き、行動できるように支援する方法です。つまり、答えを教えるのではなく、本人が答えを見つけられるよにするという方法です。問いかけ→自己発見→行動改善がコーチングの典型的な流れです。今回のBさんも、C主任から一方的に対応方法を教えられたのではなく、問いかけを通して自分の言動を振り返り改善点に気づいたため、コーチングに該当します。
不正解
フォロワーシップとは、リーダーや上司を支え、組織の目標達成に貢献することです。今回の中心はC主任をBさんが支えるという事例ではありません。BさんがC主任から問いかけを受け、自分の行動を振り返っているため不適切です。
不正解
ティーチングは、知識や技術を相手に教えることです。例えばC主任が、「Aさんには失語症があるので、こういう話し方をしてください」と具体的な方法を教えている場合に当てはまります。
不正解
メンバーシップは、チームの一員としてチームの目標達成に協力することです。例えば、情報共有や多職種との連携などです。今回の事例は、C主任→Bさんへの支援なので違います。
介護の現場では、職員が利用者様との関わり方に悩んだとき、上司などがすぐに正解を教えるだけではなく、「なぜそのような結果になったのか」「自分はどのように関わっていたのか」などを問いかけることで、職員自身の気づきを引き出すことがあります。本人が気づくことで、その場だけの解決ではなく、次の利用者様との関わりにも応用できる力につながります。
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