介護福祉士 過去問
第38回(令和7年度)
問90 (認知症の理解 問10)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

介護福祉士試験 第38回(令和7年度) 問90(認知症の理解 問10) (訂正依頼・報告はこちら)

Aさん(88歳、女性)は、4年前に、認知症(dementia)と診断された。在宅で長男が介護している。Aさんは、3か月前から、何度もトイレ以外で排泄(はいせつ)しようとする様子がみられた。長男が繰り返しトイレの場所を教えているが、状態は変わらない。長男はAさんに対して、「何回、同じことを言ったら、わかるんだ」と大声でどなってしまい、その後で落ち込むようになった。また、長男は、「認知症(dementia)がいつまで続くのか」「自分に何か問題があったのではないか」と言って、自分を強く責めている。
次のうち、Aさんの認知症(dementia)を長男が受け入れる過程と考えた場合、このときの長男の心理的特徴に該当する段階として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • ショック期
  • 否認期
  • 混乱期
  • 解決への努力期
  • 受容期

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、認知症と診断された家族の心理的なプロセスについて問われます。

家族が認知症と診断された場合、程度や順序に差はあるものの、

比較的共通した心理プロセスを辿ることになります。

各選択肢の名称と意味について解説していきます。

選択肢1. ショック期

誤りです。

ショック期とは、認知症と診断されたり、

初期において症状を見たことにより起こる段階です。

この段階では認知症が現実として受け入れられず、

一時的に感情が麻痺する場合もあります。

長男の現在の心理的特徴とは一致しません。

選択肢2. 否認期

誤りです。

否認期とは、認知症の診断を認めたくない気持ちが強く表れる段階です。

この段階では、誤診だと考えたり、完治するだろうと考えることがありますが、

内心では不安感が増大する時期でもあります。

長男の現在の心理的特徴とは一致しません。

選択肢3. 混乱期

正解です。

混乱期とは、認知症という現実を否認することが難しくなった時に、

様々な感情が表出される段階です。

この段階では、問題文の長男のケースのように、

怒りや自身を責める感情等が強く表れます。

選択肢4. 解決への努力期

誤りです。

解決への努力期とは、認知症という現実を受け入れ始め、

現実的な解決に向けて努力していこうと考える段階です。

この段階では、感情の起伏が減り、心理的にも徐々に安定していきます。

長男の現在の心理的特徴とは一致しません。

選択肢5. 受容期

誤りです。

認知症のAさんをありのままに受け入れていこうと考える段階です。

この段階では、生活スタイルも安定し、日常生活もスムーズに送るようになります。

長男の現在の心理的特徴とは一致しません。

まとめ

心理的プロセスにはいくつかのモデルがありますが、

共通しているのは、一般的に診断後はショックを受け、普段の思考が難しくなります。

その後、認知症のことや、その人のことを徐々に受け入れていきます。

これらのプロセスをイメージしておくことが大切です。

参考になった数0

02

この問題は、認知症の家族を介護する介護者が、その現実を徐々に受け入れていくまでの「心理的受容のプロセス」を正しく理解しているかを問いています。

長男はAさんの周辺症状(本題ではトイレ以外での排泄行為)に対して感情をコントロールできずに大声でどなってしまい、

その後に激しい自己嫌悪や、いつまで続くかわからない生活への強い不安・絶望感に襲われています。

この時は「心理的受容のプロセス」の何段階目なのか、考えましょう。

選択肢1. ショック期

×

「ショック期」は 告知を受けた「直後」や、予期せぬ重大な事実を「知った瞬間」に訪れるごく初期の段階です。

トイレ以外での排泄行為が始まったは「3か月前」からであり、長男はすでに一定の期間、その現実に直面し、繰り返し教えるなどの試行錯誤(対応)を行っています。なので診断直後の「ショック期」はとうに過ぎていると読み解けます。

選択肢2. 否認期

×

「否認期」とは 家族が認知症であるという客観的事実を認めようとせず、

「ただの物忘れだ」「年のせいだから大丈夫」「何かの間違いだ」と、

現実から目を背けて拒絶している段階なので不正解です。

選択肢3. 混乱期

長男はAさんのトイレ以外での排泄行為に対し、「繰り返しトイレの場所を教えている」という懸命なアプローチを行っています。

しかし「状態は変わらない」ため、自分の努力が届かないいら立ちから感情を爆発させてしまっています。

これは混乱期に最もよく見られる典型的な状況です。

選択肢4. 解決への努力期

×

「解決への努力期」とは激しい怒りや悲しみのピークを通り過ぎ、

「いくら怒っても本人は変わらない」「これは病気のせいなんだ」と、

良い意味での「あきらめ」や「割り切り」ができるようになる段階のことです。

感情的に本人と衝突することが減り、一歩引いて冷静に状況を見つめ直せるようになります。

長男は現在、「何回言ったらわかるんだ」と感情をコントロールできずに大声で怒鳴り、

冷静な「割り切り」や客観的な視点を持てている状態とは言えないので不正解です。

選択肢5. 受容期

×

「受容期」とは「今のありのままの姿」として心の底から認め、受け入れている段階です。

失われた能力を嘆くのではなく、「今できること」に目を向け、

本人の尊厳を守りながら共に生きていこうとする、穏やかで前向きな心理状態を指します。

長男は「何回言ったらわかるんだ」と、Aさんが「できない」という現実をどうしても受け入れられず、

怒りを爆発させています。現実と激しく衝突している状態であり受容期ではないので不正解です。

まとめ

本問のような「介護者の心理的受容プロセス」に関する問題では、

「事例の文言」と「各段階のキーワード」を正確に結びつけることが最大のポイントです。

参考になった数0